着実な歩み

朝、1階で着実に歩んでいる物体を発見した。
私の嫌いな、毛だらけな奴である。
見なかったことにしようか…
夕方、同じ場所で、同じものか、またしても着実に歩んでいた。
見て見ぬふりはできない。
子孫が繁栄してしまう。
一旦家に帰り、殺虫剤を持ち出す。
「ケ◯シ、殺してくる!!」
並々ならぬ決意に呆れる子どもたち。
やはり着実に歩んでいる。
殺人(虫)鬼と化した形相で、しかし横目で殺虫剤を振りまく。
粉だらけだ。
明日雨が降って流してくれるだろう。
ママ友2人に目撃される。
みな私の残虐な行為に「ありがとう!」と言ってくれた。
感謝されることなのか…。

ずっと疑問に思っていたアブラムシの生態で驚くべきことを聞いた。
メスがメスだけでメスを生むというのだ。
そして増えすぎて飽和状態になると、
羽の生える異種も出現して移動し、また増え続ける。
秋頃にはオスも生まれる。
オスとメスが生んだアブラムシは越冬し春を待つらしい。

なんたる知恵、着実な歩み。