瞬足を買ってもらい、手足がちぎれて飛んで行きそうなほど激しく踊る。
喜びの舞か。
呆気にとられて見ていて、
昔、(上の)妹が白いワンピースを買ってもらった時のことを思い出す。
駅前の広場で突然笑いころげながらグルグルと走り回りだした。

妹は三女でお下がりばかり。
お下がりでもほぼ新品で「ね〜ねの名前が書いてある」と喜ぶのとは違う。
私たち上の姉たちもお下がりばかりだったのだ。
女ばかりの4姉妹だったので服を大量にくれる人がいたが、
その人も誰かからのもらいものらしく(知らない名前が書いてあった)
お下がりのお下がりのお下がりの…どれだけ下がるかわからないほど回り回って、私達のところに服が大集合していた。
服が渦巻いていた。

服はダンボールにぎゅうぎゅう詰めになって何箱も何箱も送られてきた。
キチンと畳まれており、
防虫剤なんかも入れてあったが、
流行りなどとはだいぶかけ離れ、少し古いものだった。
服を買わなくて済む、と母(ケチ)は大喜びだったが、
私には着たい服はほとんどなかった。
お下がりのお下がりで、気持ちも底をつく。
服が欲しくても、あり余っている状況は、苦悩でしかない。
お下がりが止むことを秘かに祈った。

ようやく服が回ってこなくなってから、
やっと服が買えるという喜びは計り知れない。
自分の波はひいているつもりでも、子どもの服も買いすぎている。
服が渦を巻いている。

買い物し過ぎる言い訳を考えてみた。