本が嫌いなわけじゃない。
ちょっと飽きたのだ。
テレビがなく、マンガも萩尾望都と「パタリロ」(!)だけで、
家には山のような本ばかり。

学校の図書室の本を全部読み終えると、
家にある本を読むしかなかった。
ほとんど純文学というのか…
太宰治などを読みふける渋すぎる小中学生だった。
純文学に凝り固まっていて、
その後も現代の文学に馴染めなかった。

表紙の素敵な本を友人が貸してくれたが、内容は嫌悪感さえ湧いてきた。
山本容子の銅版画が好き。
同じ挿絵でもトルーマン・カポーティは最高だった。

アメリカ文学を専攻はしたが、
たいして本は読んでなかった。
記憶すらない。
最後に読んだ本はなんだったか。
爆笑しながら一気に読んだのは、三島由紀夫の「禁色」だったか。
坂口安吾の「堕落論」は途中で挫折したか。