軽薄な笑い

赤のWラジカセ(シュガー)で録音した自分の声を聞いた時ほどショックだったことはない。
当時でいうぶりっ子声に、ゾッとした。
今すぐこの声をなおそうと、低め低めの声に心がけ今にいたる。
今ではすっかり修正されたはずだが、男受けがよかったりすると修正不足かと思うこともある。

1、2年前、山中湖に向かう途中、カート場へ寄る。
夫はいつもそういうところに寄りたがる。
たまたまF1レーサーが来ていて、子ども達の人気者になっていた。
一緒にカートを走らせ、みな大喜び。一生の思い出となったことだろう。
自分に似た笑い声を聞いたのは、
そんな微笑ましい光景を見ていた時。
カートに同乗していた彼女は、とても楽しそうに笑っていた。
軽薄な笑いだ、と思った。
私も似たような笑い方だったのだ。

ヘルメットを取った彼女は、あびる優で、
ほとんどノーメークのようだったがすごく可愛かった。
車オタクしかいないので、みな可夢偉に群がり、
誰もあびるさんには気付いていなかったが、
人気者の後ろでずっとニコニコしていて嬉しそうだった。

なんだかそんなあびるさんがちょっといいと思った。