花見(2)

相続問題で、姉は初めて遠く離れた従姉妹に電話する。
いい人すぎて伯父の借金を背負い苦労した従姉妹。
今回も訳もわからず判を押そうとしていた。
この人だけでも救わなければならない。
入れ知恵を差し向ける私たち。

時々転送されてくるメールの内容に目頭が熱くなる。
私たち姉妹の入れ知恵を気遣いといい、思いがけない出来事で、それだけでうれしくて、今までのこと全て報われた気持ちでいる、感謝してもし切れない、と。

電話で話した次の日、
従姉妹は桜見で相席になったおばさまグループの1人に声をかけられる。
おばさま達は父の同級生だった。
父に似ているから父の娘と思って声をかけてきたのだ。
父の兄の娘だったが、初めておっちゃん(父)に似ていると言われて、びっくりしたとのこと。
おっちゃんのこと、頭よかったってねぇーとおばさま達は言ってた、のこと。

偶然すぎる偶然。
父は心配しているのだろう。
同級生と一緒に故郷で桜見していたのか…。