区別

インドに着いてすぐ、みんなコジキに見えた。
帰国する頃にはコジキとそうでない人は区別できる。

それにしても町中で人々がブラブラしている。
いったい何をしているのだろう。
みな仕事をしていないのか?
聞くとインドでは、ほとんどがパートタイムジョブだという。
お金がたまったら仕事をやめ、
お金がなくなったら仕事を探す。
全員が毎日働いたら、仕事がすぐに終わってしまう、と。
確かにインド人は仕事能力が高いようだ。
誰かが仕事をし、誰かが休まないと、うまくまわらないのだろう。

仕事にあぶれ続けるとコジキになってしまうのか。
浮浪者なんてもんじゃない、コジキだ。本物だ。

と思っていたら、驚愕の噂を聞いた。
コジキもビジネスらしい。
いかにも同情を呼びそうな四肢を失った子どもなどが、まるで道具のようにレンタルされ、
使いまわされているというのだ。
とても信じたくない。
コジキにもホンモノとニセモノがいる。
全く区別はつかない。