命日

12月18日、爆笑問題W手術、
父の命日でもある。

16年前の今日、父は肝臓癌で55歳で亡くなった。
人の3倍生きてきた、悔いはないと言って。
死ぬことはわかっていても、
一番やりたいことは仕事だった。
12月16日に年内の仕事を終え、
もう休める、と17日に倒れ、
18日に帰らぬ人となった。

寒い日だった。仕事帰りに、病院へ行くと、
妹が父の手を握っており、
「交代!手握って!」
と言われるがままに手を握る。
妹は前日ショックで気絶し、父と一緒にベッドを並べ入院していた。
父は思いのほか機嫌がよく、
皆に囲まれて嬉しそうですらあった。
少し眠り静かになったと思った時、
突然目を見開き、からだが硬直し、数分後また静かになった時、父は死んでいた。

太宰治を読んでいた頃、「人生って何だろう?」と言う私に、
「人生は泉だ!」と父は言った。
泉は湧き立ち、あっという間に消えてしまった。

本当に悔いはなかったのだろうか。
父の人生はいつも母に支配されていたように思えた。
「変な娘ですみません」という祖母に、
「普通じゃなくて面白いから好きなんです」と言ったらしい父。

人生とはなんだろうか、と思う。