励ましランチ

同じ部署の同じ歳の男子をランチに誘う。
誘われたことがないらしい。
戸惑いながら、「あ、あ、ありがとうございます」と。
いつの間にか参加者が増えて大所帯。
みな、彼とは初めてのランチ。
急に人気者になっている。

彼はガン宣告されてしまったのだ。
私の父と同じ病気だ。簡単に治療できるものではないことはわかっている。
安易に大丈夫とは言えないが、「大丈夫!」と言う。
手も握らんばかり(握っていない)、
もう長くはないかもしれないと思いながら。

すぐに手術をしなければならにのに、
仕事優先で、入院を先延ばしにし、ギリギリの今日まで仕事をしている。
どうしてこうもみな仕事をしたがるのだろう。

聞けば、数カ月前の健康診断でもなんの異常もなかったらしい。
一人暮らしで不摂生がたたったそうだが、お酒もタバコもやらないのだ。
ストレスのハケ口がないことが問題だったと思われる。
不平不満を誰にも言ったことがないと。

「なんでも言っちゃいなよ!◯◯さんのこと、ヤでしょ!?」
勝手なことを言う。嬉しそうだった。

言う人がいなかった。
体調が悪くても心配する人がいなかったのだ。

サザンタワーの「響」で魚ランチ。
盛り付けが美しいし、コーヒーもデザートもつく。
夜は夜景もキレイだ。ここで友人に夫の友人を紹介したりしたものだ。
(セッティング係)

「入院先で、ナースと出会いがあるかもよ?!」と言いたい放題。
楽しく生きなくちゃ。
次は復活祝いをしようと約束。