頼まれる人

道をよく聞かれる。
新宿では迷える人が多いようだ。

「○○ドラッグどこですか?」
「近くまで行くので一緒に行きましょう、
今日は安い日ですよ」
「そうなのよ!」

先日のご婦人も、高層ビル街に放つわけにはいかず、同行。
「アナタ優しそうなかんじだから…」
「本当はハラグロいんですけどね」
などと言っているうちに、
検索どおり、こんなところに美術館。
「あ、安野さんやってるんですね、
絵本とか素敵ですよね」
…ご婦人に1000円をいただいてしまった。

ちょっと歩いただけで、ベラベラ喋った挙句、お金まで…
これは得したと言うのだろか。

たぶん美人は道を聞かれにくいだろう。

仕事でも頼まれることは多い。
損だとは思わないが、
余裕はあまりない。
子どもの存在は逃げ道になった。

一緒にいて、私よりも道を聞かれる人がいる。
いつも笑顔で友だちも多く、人気者。
常に仕事に追われている。
逃げ道を得る機も逃し、ずっと追われ続け、追い詰められ、
行き場がなくなってしまった。
人には道を教えていたのに、
自分の道は見失っていた。

なんとかしなければならばいのに、
どうしたらいいのかわからない。
私も同類だった。

頼まれる人、で検索すると、
頼まれてばかりで悩んでいる人も、
全然頼まれなくて悩んでいる人もいた。

頼まれない人は、
頼まれない顔をしているようだ。
仕事が出来ないことが多いらしい。

頼まれる人は、忙しくても忙しいとは言わない。
ストレスがたまり体調を崩しやすい。
断ることも大事だ。
「頼まれ上手であり続けるには、断り上手でなくてはならない」

イヤな顔をして仕事をしない人は、
友だちなんていない、
一緒に歩く人もいない、
つまらない人生かもしれない。
が、私が知らないだけであって、
人それぞれの生き方があり、
理解はしなくても、否定はしない。

頼まれなくても立候補する人たちもいる。
信じがたいことだが、
子ども達はリーダーになりたがる。
孫の代までPTA会長をやり続けている義母の流れだろう。

長女によると、
自分のやりたいようにできるからリーダーがいい。
1番役割分担が難しい。
とのことだ。

二女もリーダーを巡って友だちとケンカまでする。
「みんなリーダーになりたいの!?」
と聞くと、驚きの一言。
「アタマがいい人は、リーダーになりたがらない」


二女画(本文とは関係ありません)