痛みー2

最初の出産は逆子のため、帝王切開をすることになったが、
普通分娩よりは軽いだろうと甘く見ていた。

なんの抵抗もなく手術台にあがる気持ちでいたが、
直前に、心電図、血圧計、酸素マスク、点滴、尿管?など管だらけになっていき、
アイマスクもさせられ、
麻酔の注射を何本かされ、
特に背中にされた時は、矢でもささったかと思ったほどだ。
「死ぬかもしれない…」
と思う間もなく、
お腹を切られ、あの内臓を掻き乱された感に耐えること数十分、
産声が聞こえ、感動とともに痛みも忘れるはずだった。
ほどなくして麻酔が切れた頃、想像を絶する痛みが襲ってきた。
子宮の収縮する後陣痛に加え、
子宮も切っているので痛みが尋常ではない。
痛み止めもほとんど効果はなく、しばらく堪え難きを耐えねばならなかった。
数ミリも動くのが辛いのに、
翌日から鬼看護師は「歩く練習をしましょう」と手を引っ張った。
私は涙もろいほうだが、
本当に辛い時、涙は出ない。

一度帝王切開すると、
その後も帝王切開になる。
普通分娩は子宮破裂の危険がある、と脅され、
4年後も帝王切開するしかなかった。
一度経験した慣れか、痛み止めが効いたか、医学の進歩か、
麻酔の一つを産後にしたのがよかったか。
また「死ぬかも…」と思ったが、
壮絶度は3割ほど減少。

偶然にも医者は前の医者と大学の同級生で知り合いだった。