女の一生

20代まではやりたい放題だった。
他人のお金で飲食し、給料はほとんど洋服代に費やし、アートや映画も見放題。
残額で毎年海外旅行へ行って使い果たした。
毎日出歩いて大忙し。
料理は好きだったが、自炊する時間はほとんどなかった。
経済の活性化に最大限貢献し、
文化的な暮らしだった。
だいたいなんでも許されたので調子に乗っていた。

30代になると急変した。
突然の逆風が吹き荒れた。
これはきっとおばさんになる過程の試練であろう。

一般的に、女の一生は30代前後より一変する。

未婚であると結婚結婚
結婚すると子供子供
子供が1人産まれると2人め2人め
2人めでようやく沈静化するのだ。
3人めという声にだまされてはいけない。
都心などでは無計画性や住宅事情を追求されることもある。

私は、かろうじて20代で結婚し、すぐに子供も産まれ、
上記の女の一生から逃れたかのように思われた。
だが、私の知らないところで、
思わぬ逆風にさらされていた。

私は嫉妬されるほど羨ましい生き方をしている覚えは全くない。
家事、育児、仕事で目がまわりそうだったが、
欲張りでズルい女と思う人もいた。
私がより多くのものを手に入れていると勘違いした人がいたようだ。

どちらにせよ逆風の嵐なのだった。