きっと虫だって虫なりの事情があって生きているということはわかっているのだけれど…。

小学生の頃、理科で虫を観察しなければならなかったが、できなかった。
気持ち悪い〜キャ〜と言いながら、みな平気な顔をして教科書を見ていた。
私だけ本気だった。全く見れなかった。テストも白紙。

私の嫌いな虫たちには「執着心」を感じる。
あのような沢山の足でノタノタとこの世に踏みとどまろうとする執着心。
液体になるまで潰す。
いつか美しい羽を羽ばたかせ、
かわいい赤ちゃんも沢山生むかもしれなかった未来を踏みにじる。
ひどい人間だ。
私は罪悪感でいっぱいだ。

虫の名前すら言うこともはばかられる。
文字どおり虫にケがついただけでも。
虫と言うだけで精一杯。

「はらぺこ…」という人気絵本がある。
虫がキャラクター化され、ストラップなんぞにもされてる場合もある。
全くかわいくない。
巨大な本もある。
保育参観で、先生が読み聞かせしていた。
ぬいぐるみつきなのだ。
大きな本から立体が飛び出してきて、思わず目をそむけた。

絶対に認めたくないが、
一番憎悪するものは、実は自分に似ているらしい。

確かにに、ゴキブリを異常に嫌悪する妹は、
いつもテカテカしていて、
カサコソと行動し、
ゴミだらけの部屋に住んでいる。
母もクモそっくりだ。