アグラの水

インド旅行は必ずガイド付き。
治安、宗教上の問題などなどで、特に初心者は、ガイドがいないと大変危険とのこと。
しぶしぶガイドさんと共に旅をする。

アグラはタージ・マハールの町。
「アグラの水を飲むな」
と何十回も言われていたのに、
友人はホテルの水を少しだけ飲んだ。
やはり一晩苦しむ羽目に。
翌日回復はしたが、それを知ったガイドさんは、
「なんで飲んだ!?」とびっくりするくらい大声で怒鳴った。
インド人すら飲まないと。

その日、私たちはあるお墓を案内される。
「これはアグラの水を飲んで死んだ王様のお墓です。」
ア然としていると、
ガイドさんは友人をチラチラ睨み見ている。
友人も怒った顔をして下を向いて黙っている。
なんだかおかしくなって笑いをこらえるのに必死だった。

日の出を見に、ガンジス川にも行った。
真っ暗闇の中出発し、ボートの上で日が昇るの待つ。
ガンジス川の日の出は神々しく最高だ。
が、神聖な水といいつつ、沐浴をする人のすぐ横で、用を足す人もいる。

何が神聖で何が危険なんだろう。
さっぱりわからなかった。
インドはそんな国だった。