アイワズ…

当時、ゲイカルチャーに傾倒していた。
「モーリス」からゲイムーブメントが始まっていたように思う。
同性愛こそ純粋で美しいという妄想から始まり、
三島由紀夫やらアメリカ文学
最終的に「薔薇族」まで読む。
卒論の題材として必要だと言ったら、
姉が西荻窪のガード下の古本屋で買ってきてくれたのだ。
とうとうここまで来たかと自分に呆れたが、
意外にも切ない記事満載で驚かされる。

ゲイ好きを公言していると、
カミングアウトされることも多い。
そんな友だちも増える。
クラスに1、2人はいるようだ。

ディスコもクラブも衰退する中、
ゲイ関連は盛り上がっていた
西麻布イエローのゲイナイトなど。
月2回、誰かしら興味本位でも付いて来てくれた。

ゲイらしきものはアートらしくもあった。
アートショップや青山のワタリウムで、それらしきハガキを収集した。
デビット・ホックニーの画集やハガキも今も山ほどある。ポスター(2万円)も。

ゲイ映画も花ざかり。
それらしきものは、ほとんどすべて網羅していたと思う。

アメリ現代文学≒ゲイ文学も研究していたが、
「もうゲイに飽きました」と言うと、
「何言ってんだ、ゲイは永遠に不滅だ!」
と言った教授。
先生の翻訳のうまさには舌を巻く。
どうしてこんなに切なく愛おしく書けるんだろう。
とても異性愛者とは思えない。
とても思われない点は、私も同様だった。

ゲイに飽きても、2丁目へ行き、
レズビアンナイトにも出入り。
レズビアンは美女揃いだった。

私はレズにも見え、ゲイにすら見えるようだったが、
いつも傍観者だった。