事あるごとに…と言っている間にまた事は起こっていた。

母は数十万の健康器具をホイホイ買おうとしていた。
「そんなに高いかしら?」とまで。

かつて高額掃除機もホイホイ買い、翌日(私が)解約したことがある。
その後、マンションのモデルルームを見に行き、
「勝手に契約すると、娘が怖くて怒られるんです。
この前も60万円の掃除機で怒られて…」
と言っていたらしい。
「いったいどんな掃除機なんですか?」と聞かれると、
「なんか…スターウォーズみたいなんです」。

スターウォーズ」を引取りに来たジャニーズ系のお兄さんにも、
「娘に怒られちゃって…またこんど」とひるまず。
「こんどはないよ、バカ!」
「こんど」はあった。
誰も知らないところでも「こんど」はあったかもしれない。
マンションも結局ホイホイ買った。
母にとっては、掃除機も健康器具もたいした金額でもなく、
詐欺でもなんでもないかもしれない。

たまたま姉にメールがあったのは、
構ってほしかったのだろう。
迷惑メールを読んで返信するほど、寂しかったのだろう。

妹たちは母に振り回されることに疲れ、距離をおいていた。
年末、強制お見合い旅行を断っていた上の妹は、
突然の養老渓谷への誘いも断りの連絡する際に、
健康器具を断念するように説得。

春になったら、みんなで養老渓谷に行くことになった。