御曹司とダンゴムシ

マイルは使い果たし、カードも昨年解約済。
そのカードは夫がリボ払い専用カードにしていた。

私はリボ払いが大嫌いだ。
私の激しい憎悪に、夫はベランダから飛び降りて死んだほうがマシだと思ったのかもしれない。

単身赴任時代の飲み代を、彼は計算が苦手などの理由でいつも全員分払っていた。
おかげでついたアダナが「御曹司」。
…ア然、ボー然…誤解も甚だしい。
世田谷区に自宅があるだけでも、地方などでは、勘違いされやすいらしい。
世田谷区のごく一部に富裕層は住んでおり、その他大勢は一般庶民だ。
「御曹司」は長期金利も抱えて、余裕がないはずが(やはり計算が苦手なのか)、
なぜだかいつも堂々と余裕たっぷり。

そんな「御曹司」の実態は…以前、カバンにダンゴムシをいっぱいつけて帰ってきたことがあった。
「御曹司」は帰宅の道すがら、ビールを飲んでいる。
飲み終わった缶は捨てて、3本だけ買ってきたみたいな顔をしているが、すでに2本くらい飲んでおり、飲み終わらない時は、マンション前の植込みに腰掛けて飲み、植込みからダンゴムシを連れてきたのだ。
「座らないで!」
…その話をすると友人は、
「飲まないで!じゃないの?!」と笑う。


最近「家柄」とは何か問いただす事態になった。
ウィキペディアによると、
家柄は、今は血筋の観念から家庭環境や職業、学力、経済力の水準をも含むようだ。

たいていの人は頑張って生きているが、
例えばお父さんがお母さんが、おじいちゃんがおばあちゃんが、ひいおじいちゃんがひいおばあちゃんが、もっと遠い昔の誰かが頑張ってくれたお陰で、
自分はそんなに頑張らなくてもいい人だっているかもしれない。

それが面倒な問題になるとしたら、
それこそ、家柄なんて、カバンについたダンゴムシみたいなものだろう。

ダンゴムシがつかないようにするのは、
座らなければいいのか、
飲まなければいいのか…