日常

掃除は掃除機がやってくれる、
洗濯は洗濯機がやってくれる、
ご飯は炊飯器が炊いてくれる、
食器は食洗機が洗ってくれる、
私は何もしていないのよ。

できる女(義母)の言葉。

私は何でもやっているつもりになっていたが、何もしていなかったかもしれない。
そもそも何もしていない、とはどういうことなのだろう?

などとボンヤリ考えながら通勤。
新宿駅に着くと、
定期入れの中がカラッポ、何もなかった。
駅に連絡すると、届けられていた。
改札を通った際に、パスモがケースから飛び出したようだ。
まるで気付かなかった。
注意力散漫だ。

帰りにパスモをありがたく受け取り、
家に着くと、長女が携帯電話を探しに公園へ行っていた。
記憶はないが落としたようだと。
散漫親子だった。
さんざん探し、3度目の公園でやっと携帯を鳴らす。
真っ暗で誰もいない公園の、木の支柱の上で音が奏でられ、こども携帯は光っていた。

善良な人たちに助けられて、
散漫親子はありがたく日常を取り戻す。