ママのセ

長女が3、4才くらい、自立心と反抗心が芽生える頃、
「ちがうよ」と「ママのセで」が口グセだった。

人の話はとりあえず否定する。
1人では何もできないが、少しでも関わったことで、何かしらあると、「ママのセで!」と責め立てる。

「〜のセイで」、とういう言葉はこの世で一番嫌いだ。
でも、小さな長女が必死になって「セで」と言っているところが面白くて、いつも笑いをこらえていた。

さんざん「セで」と言って数ヶ月後、
間違いに気付き、その言葉そのものが、幼稚であり恥であり、嘲笑に値し、軽蔑すべきものと気付いたらしい。
それ以降「セで」も「セイで」も口にしない。

自分が正しい。他人を否定。
では誰からも肯定されない。
自分が正しい、と必死で訴えるしかなくなる。

自分の関わったことは、すべて自分のセと気づき反省しなくてはならない。