桜上水へ

イトコのヨウコちゃんが、桜上水に引っ越してきた。
引っ越し祝いに子ども達と姉も呼んで押しかける。
身重(妊婦)の妹、身軽(独身)の妹は欠席。

ユウササゲを捧げよう。

フワフワすぎるケーキたち。
烏山に新風を巻き起こしているらしい。

ヨウコちゃんは誰もが認める正統派美人。
私の周りは美人揃いなのだ。そして、みなコユイ。
ヨウコちゃんが栄華と転落の怒濤の人生を歩みながら、
多少の事象には動じず、笑いジワさえ美しい笑顔でいられるのは、
やはりその美貌ゆえ(ベタ褒め)。

何十年たっても、九州で過ごした夏休みを忘れられない姉と私。
毎日が楽しくてしかたがなかった。
そして刺激的だった。
今まで(それからも)見たこともないようなハデな家やアメ車もそうだったが、
お買い物が一番衝撃を受けた。
ヨウコちゃんが「あれ、かわいい」「これ、いいな」とつぶやくやいなや、
祖母たちが走り回って、オモチャやら人形やらを次々に、大きなカートへ…まさにこぼれんばかり。
「そうだったっけ?」
それが普通だったのだ。ワガママを言うスキすらない。
ヨウコちゃんのグランドピアノの上には、
おびただしい数の人形やらぬいぐるみやらがひしめき合っていたものだ。

ヨウコちゃんが数奇な運命をたどりながら、
今、何事もなかったように鴨汁蕎麦なんかを作っていることが、
感慨深い。

しかも桜上水だ。
すぐに駆けつけられる。

また来てね。
うちにも来てね。
(翌日長女は近所で遭遇)