奥多摩湖へ

子どもの発表会を忘れていた私の代わりに、
夫は有休を取った、つもりだったが、日にちを間違っていた。
バカ夫婦だ。

せっかくなので、私も有休をとる。
アホ社会人だ。

平日休みは紅葉狩りへ。
毎年、混雑や渋滞でまともに狩れずじまいだった。

知人の勧めで奥多摩湖へ向かう。
曇り空で一安心。
晴れたらオープンカー仕様になるところだった。
屋根を取って高速など走ろうものなら、夏でも寒くてしょうがない。
強風に震えることになる(暖房はMAX)。

うかい亭で豪華ランチも考えた。
美しい庭園に、きっと秋が訪れていることだろう。
が、前日、またしても夫のタクシー使用が発覚。
贅沢は敵だ
朴葉焼懐石などと言っている場合じゃない。
このような感覚の麻痺が破産に向かわせるのだ。

自然に向き合おうと思う。
心身が病みがちだった。
己の小ささを知り、謙虚に生きなくてはいけない。

奥多摩湖は聞いたことはあっても見たことがなかった。
どこにあるのかも知らず。
スマホのナビアプリでは、八王子ICで…降りるか、ボケ!圏央道があるんや!

結婚前、高尾山に行こうとして辿り着けなかったことを思い出す。
あの時は別のジープ(サハラ)だった。
スマホもない時代だったが、
ナビも地図も持っていなかった。
カップルだった。

奥多摩に近づくにつれて景色も変わり、
紅葉と渓谷の織り成す絶景も車道からチラホラ(撮影困難)。
紅葉に見慣れてきた頃、
ようやく奥多摩湖が出現。
…なんと、奥多摩湖はダム(小河内ダム)だった。

我が無知ぶりに驚き、水と緑のふれあい館へ。
トイレだけ借りるつもりが、
3Dシアターで変なメガネをかけて奥多摩湖の歴史を学ぶことに。

多摩川を堰き止め、19年の年月をかけて作られた奥多摩湖の歴史は、
涙なくしては語られないものだった。
「幾百万市民の生命を守り、帝都の御用水のための光栄ある犠牲」により、
945世帯の故郷は水底に沈み、
87人の尊い命が失われていた。

小河内ダム(奥多摩湖)は都内の水源の19%で利根川、荒川系に主流を譲ったが、
渇水時の水瓶としての役割を担っている。
しょがないダムなどと誤表記されるなどありえないスケール(1周15km)で、
全部見きれず。


浮き橋からの風景

もえぎの湯へ。
サウナがなく、河辺温泉と迷ったが、
夫もサウナより森林浴を選択。
数日前オープンした高尾山温泉(極楽湯)に駆け付けるほど温泉マニアでもない。

まずは食事。川魚の塩焼き定食。
ヤマメも当然美味しいが、
刺身こんにゃくが驚くほどの柔らかさ、さわやかさ、みずみずしさ。
早速お土産に買おうと、販売されている数種類のうちのどれか聞くと、
売り物とは別だった。
売店も教えていただくが、
のし梅と梅干しふりかけ(季折)を買う。
昨年、高尾山で買ったものと同一。

お風呂は男女、月代わりで上流、下流になるが、
10月は女子が上流。
渓谷と紅葉が望めた。
お湯は古生層より湧き出る温泉を使用しているとかでトロトロの湯。

心もすっかり清らかになり(?)、
帰路に着こうとして、
鳩の巣渓谷へ。

紅葉ならずとも絶景かな、絶景かな。

刺身こんにゃくを買いに行くべきだった。