手術待ち

入院日程等決まる。
最短でも1ヶ月強待ち。
婦人科手術は予約が殺到しているようだ。

昨年、胃ガンだった人と話した。
「人間はそんなに簡単に死なない、
医学は進歩している」と。
もう克服したと思われるその人と、今すれ違っても挨拶するくらいだが、
私は、心の中では手を合わせ、
その言葉を何度も繰り返している。

最近乳ガンが判明した人も、日帰り手術で済むほどの医学の進歩らしい。
大先輩によると、あの人もこの人も「切腹」し、
子宮卵巣卵管等何かしら失っているとのことだ。
それでもみな元気だと。
アナタも思いきってやっちゃいなさいよ!
安心して行ってらっしゃい!
…安心して行こう。

それにしても、社内の同年代以上で、
病歴がない人はほとんどいないかもしれない。
ストレスの多い職場なのだろうか。
婦人科疾患の原因は、ほとんど不明なように、
みな和食党で細身の人ばかり。
食事の欧米化?が関係あるとも思えない。
おそらくは、昔は病気の発見が難しく、
悪化した時には、病因も気づかれないまま亡くなることも多かったのかもしれない。

いまさらながら、生活改善。
シンデレラタイムという時間内に寝る。
バター断ち。
油は亜麻仁油やグレープシードオイルに変更。
コーヒーは予防説もあるが、悪化説もあり、ここ数ヶ月控え、
ピクノジェノールなど、抗酸化物質を摂取し続けている。

悪性の可能性は少なくても、すでに摘出するしかないが、
喪失することの寂しさ。悲しさ。
ホルモンの分泌はもちろん、
2人の子どもの命となる卵子を作ってきた。
感謝などという言葉でも言い尽くせないものがある。

医者は、手術なんて日常業務の一環だろうが、調べる。
たぶんまともな人だろうが、
一般社会に多い、一応エラいことになっているが口先だけで中身のない人に命を預けるわけにはいかない。
発言、コメント、論文も調べる。
現場主義みたいだ。

かくして卵巣摘出を決断。
卵巣は二つもいらない、と励まされる。
もともと私もそんな考えだった。
抵抗感もなく3回開腹している。

昨年からの体調不良で、
開腹歴による癒着も疑われ、
かつての盲腸手術から始まり、逆子による帝王切開を呪いかけていた。
それ以来の心神喪失傾向は、
そもそも当時「経過観察」とされた卵巣嚢腫が原因だったのだろう。
4cmだった卵巣嚢腫は3ヶ月の間に8cmの嚢胞となり2分割され(多房性)、
さらに2週間後に7、8分割となり、
いったいどうしてこのような細胞分裂?をしているのか、さっぱりわからない。

一般的には生理周期により腹部が圧迫され、激痛に苦しられるそうだ。
激痛を鈍痛と思っていた。
我慢していたんですね…と哀れみの言葉。
我慢した覚えはなかった。
それで仕事を休んだこともない。
つわりの時もそうだった。慢性化すると、当り前になってしまうのだ。
我慢自体、どういうものかわからなくなっていたのかもしれない。

高校生で初めての手術の後、医者がホルマリン漬けにした盲腸を持って、病室に怒鳴りこんで来たことを思い出す。
「3日間も我慢して!こんなになってました!腹膜炎もおこしています。一日遅れたら死んでましたよ!!」

切腹を覚悟していたが、
腹腔鏡専門医に相談していただき、担当変更。
途中変更もありえるが、
ひとまず切腹を回避。

最後の晩餐のはずのルクープも2回スズキを食べる。
ニュウマンも何度か行く。
ロブションのクロワッサンのバター感に驚く。
(バター断ちを忘れていた)

生きていることに感謝しなければならない。

元気になりそうな、あめちゃんという名のいちごジャム

昼休み、中川政七商店で。